澤 克典(さわ かつのり)氏の作品を紹介します。
水を含んだ青々としたビロードのような苔の上に
乗っている笹の葉、掃除をすましたのに
どうしてこんなに意地悪をと思うほどの毎日が続いています。
この笹の葉は庭の南側に位置する私の家の
ほんの小さな淡竹の籔からのいたずらで。
竹って季節をあらがうようなところにあり、
草木が色づくころには青々と自らが春の装いとなる。
やや場違いのその様子は「竹の春」と呼ばれ
季語にもなっているとか。
それなら今は竹の秋ですよね。
枯れていく葉を散らしているらしい。
今日もギラギラとした太陽の元空は青く
吹く風もさわやかな信楽の自然です。
西の地域では梅雨入りとかの言葉も聞きますが。
そんな気配は全くなくさっぱりとした初夏というところです。
庭には、あじさい類、ほたるぶくろ、
おかとらのお、あざみ、どくだみ、しもつけなどが咲いて
例年ならそれぞれの花の色が
雨ににじみ出ているように咲いているかに見えるのですが
今年は晴れの日続きですので
花として凛としてたくさん咲いています。
二十一日は夏至
北半球では太陽の市が最も高くなり
昼間の時間が最も長くなります。
くちなしの花の香りが漂っています。
(ほたるぶくろ)