古谷 和也(ふるたに かずや)氏の作品を紹介します。
曇り模様の多い景色に緑色の濃さが一段と増し、
山ぼうしの白い花が緑の葉の上にかぶせられたように目立って咲いています。
周囲の田んぼもいつの間にか植え付けが終わり、
まわりはいっそう緑一色
六月の和名「水無月」は「水が無い月」ではなく
「無」が「の」にあたる連帯助詞なので「水の月」とも言われています。
田に水を引く大切な時期で、なみなみと水を張った田の中で
稲の苗がそよそよと風にゆれています。
夜になればそこで行われる蛙の合唱もにぎやかです。
せんだいはぎや花菖蒲が雑草の中からのぞき出るように咲いています。
庭の隅では梅の実が青く大きくなり、
山椒の実も香りとともに収穫の時を迎え、
淡竹のたけのこも四方ににょきにょきと顔を出し、
野ぶきも大きい歯をゆさゆさとゆすぶっています。
野趣あふれるお味を食生活に取り入れようと
台所での細かい仕事も忙しい毎日です。
柚子の花が今、満開です。
(せんだいはぎ)