ギャラリー有楽【信楽】

有楽だより

作品紹介 杉本 祐作 『壷』

2025年03月31日 更新

杉本 祐(すぎもと ゆう)氏の作品を紹介します。

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今は梅の花が満開です。

今年は開花が早いような気がします。

いつもの年なら梅・椿・桃の花が同時に咲いているのに

桃は少し遅れているようです。

と言っても3・4日のことですが。

信楽は外気温が低いのか桜の花はまだその様子が全くなく

でも木の幹の中では濃密な桜の精が堂々と流れ

開花の準備をしているのでしょう。

布などに染めている桜色は

ごつごつとしている樹皮から取り出された色らしく、

それも開花直前の木でないと

あの美しい桜色は出せないとか。

生命の息吹輝く快適な季節も短く貴重ですよね。

三月は年度末で人・物・事へのお別れの多い時、

自分の気持ちにも決断すべきことの多い時でした。

四月は新しいことを進めるのに絶好の時、

自分らしい楽しみを見出せたら気負わず

できるところからできることを

少しでも進めてみてはと思います。

この春風もその私たちの背中をやさしく押してくれると信じて。

ばいもがかわいらしい花をつけています。

 

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(ばいも)

作品紹介 木村 華陀作 『花入れ』

2025年03月15日 更新

木村 華陀(きむら かだ)氏の作品を紹介します。

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静まり返ったようで変化のなかったような自然の草や木が

どことなくもぞもぞとうごめきだしているような気配のする庭そのあたり。

沢山いる小鳥たちも木々の新芽を探してついばんでいるのでしょうか。

五日は二十四節気の一つ啓蟄を迎えました。

長い冬の眠りから虫や動物たちも

外界の気配を伺っているのでしょう。

一進一退を繰り返して季節が廻りくるのでしょうね

雲の間から春の日差しとさわやかな風を感じて外に出ると

小鳥が飛び交いながらさえずっていたり、

親指の爪ほどのみどりが一面に地面を覆っているので覗くと

春の花の場所取りをしているのです。

陽ざしが少しずつ強くなってくる。

紫外線も多くなるのでしょうね。

一方まだ湿度も気温も低い日もあり一口には言い尽くせない。

強い風が吹き、チリ、ホコリに加えて花粉が増えることで

春は一年の中でも空気中の浮遊物が多い時。

さらに三寒四温と言われるような気温の差が激しいのもこの時期。

信楽の山で「とさみずき」の花が咲いているのを見つけました。

 

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(つばき)

作品紹介 加藤 肇作 『壷』

2025年03月01日 更新

加藤 肇(かとう はじむ)氏の作品を紹介します。

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二度目の強烈寒波の影響で寒い日が続き、

信楽も毎朝まっ白い雪景色に包まれていて

春を探そうにも雪の中。

でもこれが春というのか周囲は積雪で寒々としているのに

道路には全く雪がなく溶けてしまっているのです。

今年は一度も雪かきはしませんでした。

その後ポカポカ陽気の二三日。

例年のように寒の戻りもあるでしょうが。

三日は桃の節句。

桃の開花期に重なるだけでなく

桃の木が「仙木」と呼ばれる神聖な木で

邪気を払うパワーがあると認められていたのだそうです。

今では女の子の祭りというイメージですが

もともとは春を寿ぎ無病息災を願う行事だったそうです。

現にこの頃は寒暖差が大きく体調管理が難しいということだったと。

信楽ではまだ気温が低く桃の花のつぼみも固いので

昔から旧暦の三月三日をひいなの日として楽しんでいます。

地域の人たちは奈良の東大寺の二月堂で行われる

お水取りが終わると春が来ると信じて待っているようです。

楽しみがたくさん詰まった春。

目で見て肌で感じてワクワクしながら過ごす毎日です。

 

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(つばき)

作品紹介 谷野 明夫作 『象嵌壷』

2025年02月15日 更新

谷野 明夫(たにの あきお)氏の作品を紹介します。

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これが空色ですと言えるような美しい青い空、

そして冷たい大地に冷え冷えとした大気が満ちて

冬晴れ、冬日和というかの毎日が続いていました。

今季最強の寒波と言われた八日土曜日の朝、

信楽では今季初めての積雪に見舞われました。

それもふんわりと薄化粧をしたほどに。

そして朝の日差しとともに自然に溶けていきました。

また二度目の寒波が来るとか。

信楽では例年分厚く張る手水鉢などの氷もそれほどではなく、

時々見かけた軒先のつららも全く見なくなりました。

葉を落とした庭の木々も内側では

春の準備に忙しいのでしょうが今は突っ立っています。

繊細な枝枝をよく見るとその姿は

芸術作品のように美しく感じられます。

一日の活動時間も長くなりました。

でもまだまだ寒さの中です。

季節の移ろいを探しながら素敵な三月を迎えたいと思います。

「はるよこい。はやくこい。」

 

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(つばき)

作品紹介 古谷 和也作 『壷』

2025年02月01日 更新

古谷 和也(ふるたに かずや)氏の作品を紹介します。

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二月は一年で最も気温の低い寒い日が続く時なのですが

ここ信楽は例年より暖かく感じる晴れの日が多いせいか

季節が早く進んでいるように思います。

二日は節分。

三日は立春とあって、その言葉を聞くだけでも

陽光の明るさは心なしか春のようです。

濃い緑一色のさびしいというか落ち着いた庭の中を

いろいろな小鳥たちが何かを探しているかのように

ついばんだり行きかったりしています。

二日の節分は各地で各家庭で節分会が行われ、

邪気を払って春の準備をするようです。

40歳(初老)、60歳(還暦)、77歳(喜寿)、88歳(米寿)に

達した人などのお宮参りや、豆まき、

柊の小枝にいわしの頭を差した柊いわしを門において

邪の象徴とされる鬼を追い払う習慣が今も続いています。

早春のあたたかいような光を感じながら

優しい気持ちで毎日を過ごしたいと思います。

 

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(さざんか)

作品紹介 高橋 美子作 『面取り一輪差し』

2025年01月15日 更新

髙橋 美子(たかはし よしこ)氏の作品を紹介します。

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皆様、よい新年を迎えられたでしょうか。

有楽もより素晴らしい信楽焼の今を広く世間に発信するべく

もっと工芸の勉強をしていきたいと思いました。

今年の干支は巳で畠の番人と言われていますが

脱皮する蛇のごとく新しい気持ちで精いっぱい励みたいと思っています。

七日は七草がゆを食しました。

七日は「人日(じんじつ)の節句で無病息災を願う行事食。

お正月のごちそうで疲れ気味になった胃を休めるためにも

温かく心身ともにほっこりしたい正月らしい食べ物だとか。

新年には神社に初詣に行きますが、

お寺では修正会(しゅしょうえ)が行われます。

正月という言葉には一年のゆがみを修正する月という意味もあるようです。

なんでも長い年月に自然と誤差が生じるように、

人も時とともに考え方や暮らしぶりが正しいところからずれがちになる。

それを修正するのが正月だそうです。

ここ数日、今季最強の寒波と言われていますが

信楽では例年の冬日と変わらず積雪もありません。

椿の花がぽつぽつと咲いています。

 

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(つばき)

作品紹介 谷野 明夫作 『象嵌壷』

2024年12月15日 更新

谷野 明夫(たにの あきお)氏の作品を紹介します。

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庭の立ち木にまだ残っている紅葉の葉の間から

侘助つばきの白いかわいらしい花がいくつも見え、

それなりに整えられた冬の庭に凛として静かにつばきの花が

咲いていた今までの十二月とは違う風景を眺めています。

町の陶器の業界では、来年の干支「巳」の

信楽焼の置物つくりにとても忙しいようです。

新年を迎える準備だなーと感じます。

天地の陽気とは別にはるかかなたの天体では

冬の星座がきらめきます。

信楽の冬の夜空は素晴らしく

きれいだと思うのは私だけでしょうか。

二月二十一日は冬至

夜が最も長く、昼が短い日。

太陽の力がこの日を境に再びよみがえってくるとか。

今年もあっという間に過ぎたような気がします。

毎年思うのですが一つ歳を重ねることが

一つ輝きを増す人生になるようにと

今年も年初めの願いだったのですが。

皆様どうぞよいお年をお迎えください。

 

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(つわぶき)

作品紹介 杉本 貞光作 『蹲壷』

2024年12月01日 更新

杉本 貞光(すぎもと さだみつ)氏の作品を紹介します。

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庭の木々楓は紅葉した沢山の葉を木の上で風に躍らせながら

十二月を迎えました。

まだ落ち葉にはなっていません。

私が庭の掃除をするようになって初めてのことです。

例年ならそれなりに掃除を済ませて遅れて落ちる葉を見て

「落ちてなお美しい」なんて思う心の余裕もあったのですが。

よく見ると同じ木の枝にあっても一枚一枚の木の葉の色が

微妙に違うことがわかりました。

どこまでも多様ということなのですね。

鮮やかな赤と緑の葉が並んで風に揺れているところもあり、

はっきりとした色の違いを感じいかに深く複雑かを感じました。

そして日ごとに朱色に揃えていくようです。

椿はつぼみがたくさんついているのですが

まだ咲きそうにありません。

千両・万両・拾両のヤブコウジなどは実の色を濃くして

飾られる新しい年を待っているようです。

最後のカレンダーになりました。

師走です。

家庭での暖房の準備も整いました。

八日は針供養。

十三日「正月事始め」

それにしても過ごしやすい暖かい信楽の十二月です。

 

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(せんりょう)

作品紹介 鈴木 大弓作 『蹲壷』

2024年11月14日 更新

鈴木 大弓(すずき ひろゆみ)氏の作品を紹介します。

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立冬の七日

信楽は今季一番の冷え込みとなり

各家庭では何をおいても暖房や冬着の準備にと

忙しくしていましたが

各地でも冬の訪れを告げる木枯らし一号が

吹いたとテレビで発表

昨年より四日早いとかで。

夜半も庭の木々や籔の竹をざわざわと震わせる音で

目が覚めましたが、翌朝見ると

まだ色づいていない木々の間を風が通り過ぎただけのようで

荒れた気配はありませんでした。

でも次の日から毎朝屋根に真白い霜が降り

どうだんつつじは刈込の形を朱に彩り

垣根の山茶花も少しづつ咲き始めました。

昼間はいつもの年より暖かいのでは、

今の時期なら小春日和というそうですが

ぴったりとこなく、真っ青な空を仰ぎながら

いつもさわやかな風を感じています。

信楽は今、「山粧」と表現する季節です。

草木が化粧するように色づき、

まるで山が生きているように加速度をつけて

日々変化しているのです。

観察をし、その様子をよく見て楽しみたいと思います。

野菊が今を盛りに咲いています。

 

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(のぎく)

作品紹介 鈴木 大弓作 『花入れ』

2024年10月31日 更新

鈴木 大弓(すずき ひろゆみ)氏の作品を紹介します。

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近づいてよく見るとお茶の花がたくさん咲いていました。

白い小花の中に黄色の芯が束になっている控えめな花ですが

山茶花と同じつばき科で十一月の花ですよね。

家の垣根の山茶花はまだつぼみも固く、

時を忘れたかのように青々としています。

信楽では夜は例年同様に寒く感じるのですが

昼間はとても快適な気温で楽しいお日和の毎日です。

今日から霜月

二〇二四年もあと二か月です。

いつもの年なら野山のどこからか木々が色づき始めているのですが

今年は庭のどうだんつつじも、はなみずきも、

こばのずいんなもまだ変化がありません。

大きいカエデの木の葉さえももみってはいません。

一面の緑一色が淡い黄色から朱に染まるには

気温が関係するのでしょう。

今年の秋はゆっくり深まっていくのでしょうね。

 

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(せんぶり)

作品紹介 古谷 和也作 『蹲壷』

2024年10月15日 更新

古谷 和也(ふるたに かずや)氏の作品を紹介します。

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長かった夏の後はさわやかな秋の空気の流れが

ことのほか心地よく感じられます。

日中の信楽を渡るその風は暑くもなく肌寒くも無く。

とはいえ空の移ろいが目まぐるしい季節に入りました。

汗ばむほどの陽気かと思うと急に冷たい雨が降る。

戸外に出したものを急いで取り込むと

雲の間から澄んだ陽ざしが届く。

一日の中でもくるくる天気が変わる日々。

「人の心と秋の空」のことわざのように。

朝や夜は冷え冷えとして暖房が恋しいほど。

山や野は、まだずっしりと青く、

稲を刈り取られた広々とした田んぼだけが

秋を物語っているようです。

のぎく、ほととぎす、おかりんどうが

水分を得て茂った草の中で隠れるように咲いています。

庭の苔の中にせんぶりが咲き始めました。

有楽では常に信楽焼の今を揃えて

皆様のご来店をお待ちしています。

 

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(ほととぎす)

作品紹介 上田 直方作 『水指』

2024年09月30日 更新

上田 直方(うえだ なおかた)氏の作品を紹介します。

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今年もアサギマダラ(蝶)が信楽に来てくれました。

淡い水色の斑紋があり美しい。

日本に土着する唯一つのマダラチョウだそうです。

お相手のふじばかま(秋の七草の一種)は

夏の強い日当たりと水の不足で

美しく豊かにとは育っていませんでした。

でも咲いている沢山の花に蝶は懐かしい人にお会いした時のように

寄り添ったり離れたりしながら終日そのあたりを飛び交っていました。

高く舞い上がり上昇気流に乗って移動することが出来るのは

ふじばかまの栄養がこの蝶のパワーを支えているとか。

台風14号から温帯低気圧に変わり

雨を待っていた信楽でしたが雨は極少。

夜間は急に低温になりそれから一気に秋になりました。

一週間前までどこでもクーラーが大活躍でしたので

自然も生活も心もまだ落ち着きません。

でも今日この頃は「食欲の秋」「スポーツの秋」「芸術の秋」

「読書の秋」などと言われる快適な季節です。

これからますます日が短くなります。

のぎく、ほととぎすも咲き始めました。

自然の移ろいを感じながら大切に過ごしたいと思います。

今日から十月。

神無月です。

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(ふじばかま)

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